世界自然遺産「知床半島」観光案内(道の駅「うとろ・シリエトク」)

 「うとろ・シリエトク」は知床半島の中ほどに位置する道の駅。「知床」は2005年世界自然遺産に登録され、観光地としての価値は高まるばかり。半島から直接海に注ぐ滝、遡上期われ先に半島の川を登るサケやマス、それを獲物として狙うヒグマ、またエゾシカ、キタキツネ。半島には火山が林立、たくさんの温泉が湧き出し、地表に自噴しているところもあります。広大・雄大な自然の力を感じずにはおれません。そうした知床の観光地を、近場から「日を追って」ご紹介しましょう。

 流氷などについては「うとろ・シリエトク(観光スポット)」に掲載しています。冬の流氷着岸はだいたい2月初旬です。年により「着岸初日」は異なります。またいったん着岸しても気温の上昇などで氷が岸を離れ、沖合いに留まることがあります。このときの海(岸辺)は沖合いの氷のため外海の影響を受けないので、波がまったくないべた凪になります。

 なお、「自然公園法が改正」され、2022年4月より知床国立公園ではヒグマの待ち伏せや餌やり行為を含め接近行為が禁止されます。違反すると、最大30万円の罰金が科せられます。



🙆 記事一覧 
  • 1日目:オシンコシンの滝 / 知床世界遺産センター・夕陽台展望台、キャンプ場
  • 2日目:知床自然センター・知床五湖フィールドハウス・カムイワッカ湯の滝
  • 3日目:知床五湖フィールドハウス(知床五湖大ループツアー)、パークサービスセンター
  • 4日目:知床半島クルーズ(クルーズ船事業者選び方・便の確保)



 画像はタップすると、大きくなります。それでも小さければ、二本指で広げてください。赤は温泉、黄色と緑は観光スポットです。

知床・観光スポット
知床・観光スポット


●1日目 [TOPへ]
道の駅「うとろ・シリエトク」の南

道の駅「うとろ・シリエトク」と観光スポット(南)
道の駅「うとろ・シリエトク」と観光スポット(南)


オシンコシンの滝と展望台
 道の駅「しゃり」から国道334号を北上(約30km)していくと、「オシンコシンの滝」(MAP CODE:894 727 261*11、知床八景)の駐車場が見えてきます。ここからが知床観光の始まりと言って良いでしょう。「オシンコシンの滝」は「滝」で満足せずに、その上にある「オシンコシンの滝展望台」まで登ってみましょう。「知床八景」が銘板で案内されています。木々が生い茂っているかもしれません。

知床・オシンコシンの滝
知床・オシンコシンの滝
冬のオシンコシンの滝
冬のオシンコシンの滝(氷瀑)


遠音別川サケ・マス遡上観覧施設》…季節限定
 じつは「オシンコシンの滝」の直前に「遠音別川サケ・マス遡上観覧施設(オンネベツ川)」(MAP CODE:894 635 205*41、斜里郡斜里町真鯉 遠音別橋すぐ上流)というのがあります(カラフトマスの遡上時期は8月下旬~9月下旬)。川を堰きとめ魚を一方向に誘導しているので、ぐちょぐちょわき出るようにサケ・マスが泳ぎます。8月中旬にはカラフトマスの遡上がはじまります。すぐ上流が孵化場です。

遠音別さけ・ますふ化場
遠音別さけ・ますふ化場

三段の滝
 つぎに二番目の滝「三段の滝」(駐車場MAP CODE:894 759 024*00)でしぶきをかぶったあと、道の駅に到着です。

三段の滝看板
三段の滝看板





知床ウトロ市街地

道の駅「うとろ・シリエトク」周辺
道の駅「うとろ・シリエトク」周辺


知床世界遺産センター
 道の駅すぐ隣には「知床世界遺産センター」(0152-24-3255、斜里郡斜里町ウトロ西186-10)08:30-17:30(夏期)・09:00-16:30(冬期)/夏期(04月20日~10月20日)無休・冬期(10月21日~04月19日)お休みは火曜日・年末年始(12月29日~01月03日)があります。知床の野生や自然をどのようにたのしみ、またどのように接するかをここで学ぶことができます。「熊との接し方」のビデオは必見。観光地の情報もここで…。
 道の駅には「知床(ウトロ)観光案内所」(0152-24-2639)があります。

ベレケ川・ペレケ河岸公園》…秋の季節限定?
 道の駅に到着したら、散策がてら「オロンコ岩」の方向へ行ってみることにします。羽織るもの一枚を持っていった方が良いかもしれません。すぐに「ベレケ川」の橋(MAP CODE:894 854 109*22)があり、ここからも時期(8月下旬~9月下旬)が合えば鮭や鱒の遡上を見ることができます。産卵後水に浮かぶ魚体を狙ってカモメなどがたくさん群れているかもしれません。
 橋を渡る前に「斜里バス ウトロターミナル」(0152-24-2054、斜里町ウトロ西170)に向かいましょう(家と川の間に舗装された1メートル幅くらいの細い歩道があります)。「宇登呂橋」まで来て道を渡ると、バスターミナル。川沿いがずっと河岸公園になっていて、川岸まで降りられます。水辺まで降りれば、鮭の背びれに触ることも可能です(捕獲すると、漁業法違反。すぐ近くに駐在所があります)。
 バスターミナルに戻り橋を渡ると、100mほどで右手にセブンイレブン、左手に駐在所。セブンイレブン(0152-24-3511)は06:00-24:00までの営業、向かいのセイコーマートは06:00-21:00の営業時間(セイコーマートの裏手に「ウトロ漁業発祥の地」の碑があります)。国道を渡り、まっすぐ進みます。左手に「知床遊覧船」や寿司屋、右手に民宿「酋長の家」などがあります。

ゴジラ岩
 すぐに「ゴジラ岩」(MAP CODE:894 854 410*55)があります。その名の通り怪獣ゴジラの姿に似た岩です。ゴジラ岩は秋田の男鹿半島にもあるとか。どちらが真に迫っているでしょうか。写真に収めるなら、すこし離れて…。

知床ウトロ・ゴジラ岩
知床ウトロ・ゴジラ岩


オロンコ岩・展望台
 知床八景のひとつ「オロンコ岩」(MAP CODE:894 854 459*30・約60mの高さ)。もし車で行ったならオロンコ岩用駐車場がふもとにあります。「オロンコ岩」は「そこに座っている岩」という意味だとか、そうでないとか。急な狭い階段を上り頂上に着くと、かなり広い展望台。すぐ近くの山らしきものは「三角岩」。海が見渡せます。知床ブルーの海に白波が立っているのはとてもきれいです。
 オロンコ岩の上は平たい大地。階段を上ってたどり着きましたが、この階段が生態学的にはとても重要な意味を持つそうで…。シカが登ってこないので、植生などが大昔のままに保たれていると考えられています。

知床ウトロ・オロンコ岩
知床ウトロ・オロンコ岩
オロンコ岩からの眺め
オロンコ岩からの眺め(向こうは三角岩)


松浦武四郎顕彰碑
 オロンコ岩を降りたら、岩の真ん中にあるトンネルをくぐりましょう。すぐ右手に「山に伏し…」の歌が刻まれた「松浦武四郎顕彰碑」(1988年建立、MAP CODE:894 854 554*25)があります。武四郎は江戸時代から明治にかけ、北海道をくまなく歩き、北海道(北加伊道)命名の父となった人です(道北の音威子府頓別坊とんべつほ・天塩川流域に「北海道命名の地」の碑が建っています。2018年、命名150周年を迎えました)。

三角岩
 「顕彰碑」の向こうには「三角岩」(夕陽台展望台から見ると三角に見えます)があり、その前に駐車場が広がっています。左手に夕陽のきれいな海岸があります。海風の中、日が落ちるのを待っているのはたとえ夏といえど寒いかもしれません。近くに「知床旅情の歌碑」や「観光船おーろら乗り場」が見えます。

ウトロ・三角岩
ウトロ・三角岩(冬)
三角岩ふもとからの夕陽
三角岩ふもとからの夕日


夕陽台展望台とウトロ温泉夕陽台の湯への行き方》‥セブンイレブンから(0152-24-3511)
 さて「オロンコ岩」を再度くぐってセブンイレブンまで戻ってきたら、セブンイレブンと駐在所の間の道を入り、すぐに左に折れます。知床八景のひとつ「夕陽台展望台」(斜里郡斜里町ウトロ香川)へ。そのまま登り続けるとカーブにさしかかります、ここを道なりに行ってもよいですが、左側に側道というか歩行者が通れるくらいの細い道(幅0.5~1mほどの道ですが舗装され、夜は灯りつき)がありますので、これをたどりましょう。するとまた大きな道に出て、またそのまま登り続けます。左に今夜お世話になるかもしれない温泉「ウトロ温泉 夕陽台の湯」(0152-24-2811)があります。さらにホテル「知床夕陽のあたる家」(0152-24-2764)を過ぎたら、すぐに左に折れ、そのまま海の方向へ行くと「夕陽台展望台」です。
 夕日を眺める展望台ですので、時間は夕方が一番良いでしょう(「夕陽台の湯」からも夕日は見えます、風呂のついででも良いかも)が、そのほかの時間でもオロンコ岩や三角岩が見えてきれいです。それにもしかするとシカちゃんに会えるかもしれません。

キャンプ場
 展望台の隣は「国設知床野営場」(0152-24-2722、斜里町ウトロ香川)営業期間6月上旬~9月30日。要利用料。昔ながらのキャンプ場で至れり尽くせりの設備はありません。フリーサイト60区画ほど(予約不可)、キャンピングカー用区画数台分(予約不可、要良い合わせ)、バンガロー(寝具なし)が7棟あります(予約・問合せ0152-24-2722)。屋根付き炊事場あり。ゴミは分別の上で無料回収。トイレはバイオトイレと仮設トイレ。温泉はすぐ隣、「ウトロ温泉 夕陽台の湯」。
 この一帯はシカばかりでなく、クマゲラ等の棲みか。北海道のワイルドな自然を身近に感じる手始めかも…。秋(10月~11月)のシカは発情期で近寄ると危険です。
 冬期、キャンプ場は閉鎖されますが、ここは2017年から始まった「知床流氷フェス」(1月終わり~2月一杯)の会場になります(2019で終了)。


●2日目 [TOPへ]
知床半島南部~カムイワッカ湯の滝まで(南から順に)

知床半島南部
車でも行ける知床半島南部


 二日目は国道334号を北上しまずは「プユニ岬(展望台)」、つぎに道道93号知床公園線上の「知床自然センター・フレペの滝」、「知床五湖フィールドハウス」、「カムイワッカ湯の滝」(知床半島北側で一般人が行ける最東端)をめざします。
 カムイワッカ湯の滝で水の中に入るなら、道の駅で「知床探検用ソックス」を買うか、滑らないズックとかトレッキング用のシューズがあると良いかもしれません。

プユニ岬・展望台
 左にオホーツク海と奇岩をいくつか眺め、まずは知床八景「プユニ岬(展望台)」(斜里町字岩尾別)。ここからも「オロンコ岩」、「三角岩」が見えます。オロンコ岩はそばで見るよりも大きく見えるかもしれません。
 道路海側に小さな駐車帯(みはらしばし[MAP CODE:757 601 202*82]から150m先)があるので、行き過ぎないよう停車します。岬は陸に沿って(進行方向)真北にあります。海の方に見えるのはウトロの町です。プユニ岬が見えると言うよりはウトロの町の展望台です。

知床自然センター・フレペの滝
 「知床自然センター」道の駅からほぼ5km(0152-24-2114、斜里町遠音別村531)。ここにはスープカレーなども出してくれる喫茶「BARISTART COFFEE SHIRETOKO」があり、双眼鏡や長靴(1日500円)、熊撃退スプレーなどのレンタル、知床半島の自然についてのレクチャーもしています。
 遊歩道を通りセンターの海側に出ると、知床八景「フレペの滝」(乙女の涙)があります。遊歩道とちょっと見にくい展望台が設置されています(展望台には登らず向こう側の柱からの方がわずかながら見通しが良いでしょう)。水量はけして多くありません。上に原水(川)が流れているのではなく、地下水が崖のすき間から流れ出しているのです。熊やマムシの出没で遊歩道立ち入り禁止になることがあります。

知床「フレペの滝」遊歩道案内
知床「フレペの滝」遊歩道案内



道道93号マイカー通行可能期間
 知床五湖フィールドハウス~カムイワッカ湯の滝までは、以下の日程で通行可です。
・知床五湖フィールドハウスは4月下旬~11月初めまで開館、その他の月は冬期休業・駐車場も閉鎖
・カムイワッカ湯の滝は6月1日~10月31日まで訪問可、その他の月は「フィールドハウス」付近にあるゲートを閉鎖

道道93号マイカー規制
 繁忙期(年によって微妙に異なる。おおむね8月お盆休みと10月初め)には、知床自然センター~知床五湖フィールドハウス~カムイワッカ湯の滝までのマイカー規制(シャトルバス振り替え)が行われます。
 マイカー規制(シャトルバス運行)」(2022年の例)。少なくとも規制期間とバス乗り場を押さえておきましょう(斜里町観光協会バス時刻表 2022年の例)。
 シャトルバス乗り場は、
①道の駅「うとろ・シリエトク」(道の駅 ~ 知床自然センター ~ 知床五湖までは15分間隔で運行)
②知床自然センター(知床五湖 ~ カムイワッカ湯の滝までは30分間隔で運行・「知床五湖フィールドハウス」では乗れません)

 知床自然センター ~ 知床五湖フィールドハウスまでは車でも行けますが(フィールドハウスでシャトルバスには乗れません)、シャトルバス優先。乗用車等が渋滞で動けないときも優先して通行します。規制期間中は「知床自然センター」(あるいは道の駅)でシャトルバスに乗り換えるのが得策(チケットは2022年、1日乗り放題で1,300円。知床五湖までの往復チケットや3日間乗り放題もあります)。


羅臼方面・国道334号知床横断道路
 つぎに「知床五湖フィールドハウス」を目指しますが、「知床自然センター」の前で道道93号知床公園線と国道334号の分岐があります。この線について触れておきましょう。
 「知床自然センター」からそのまま国道334号をたどると、知床八景「知床峠」(展望台MAP CODE:757 493 152*00)、半島の西側・羅臼へと行きます。峠からは羅臼岳、国後島が見えます。知床峠(冬期通行止め)は羅臼に向かう途中に寄ることにしましょう(道の駅「知床・らうす」をご覧ください)。
 またセンターから600mほど、国道左手に「開拓小屋」があります。シーズン中はトレッキングがセンターや道の駅隣の「知床自然センター」主催で行われています。
 知床峠の通行止めはだいたい11月初めから、それ以前に凍結のおそれがある場合にも通行止めになることがあります(10月終わり頃は夜間通行禁止)。開通は4月終わりから昼間の通行が解禁され、終日通行可になるのは5月終わりです。国土交通省北海道開発局の「国道334号知床横断道路の状況」をご覧ください。

マイカー規制期間以外の「知床五湖フィールドハウス」へのカーナビの設定
 「知床自然センター」から道道93号知床公園線をたどると、「知床五湖フィールドハウス」(0152-24-3323)に到達します。一本道なのでカーナビの案内はいらなそうですが、心配性の方のために一応設定方法を…。

 カーナビは以下のいずれかで設定します(新しい機器では修正されているかもしれません)。画面上に「知床五湖フィールドハウス」の施設名が出てこなかったり、あっても別の場所に連れて行かれたりという不具合がときどきある模様。

・旧施設名と電話番号「知床五湖レストハウス/0152-24-2299」を目的地にする
・マップコード「757 730 727」を使う
・まっぷるコード(MGコード)「100-1324」を使う

 道道はとてもきれいですが、たいそう曲がりくねり起伏が大きいです。しばらく行くと、直線道がありそのあとほぼ直角に曲がるところに来たら、左(知床五湖フィールドハウス)への分岐があります。上に書いた「知床自然センター」からは約9kmです。
 早朝のあまりに早い時間に行くと「フィールドハウス」(朝08:00あるいは08:30オープン)へのゲートが開いていなくて、開門の時間まで車の中で待つことになります。中の高架木道は07:30に開き、そのころがゲート開門の時間です。シーズン中はゲート前に何台も待っています。ときどきバイクの方々が車列の先頭に出て行くことがありますが、交通整理のおじさんに後ろに戻るように指示されます。
 またシーズン中の土日などお休みの日は、「フィールドハウス」までの道が1kmほど渋滞する(駐車場から車が出ない限り前に進まない)ことがあります。なんらかの予約を入れているときなどはずいぶん早めに出発されることをおすすめします。




知床五湖フィールドハウスとパークサービスセンター・高架木道》…地図は、3日目のものを参考にしてください。
 「知床五湖フィールドハウス」(0152-24-3323、斜里町遠音別村字岩宇別549番地)の駐車場は有料。フィールドハウスに立ち寄るのもよし、左の電気柵付き木道(木道は自由に散策できます)へと足を運んでも良いでしょう。
 木道はヒグマが寄ってこないように高架式、また熊が木道の柱を登らないよう電気も通っています(ヒグマは木のぼりとかけっこがたいそう得意です)。途中、連山展望台、オコツク展望台があるので、写真を撮るのが定番です、下は定番写真。木道をどんどん進むと知床五湖のひとつ「一湖」にたどり着きます。ここにも「湖畔展望台」があります。そのあと順番に五湖までありますが、木道は「一湖」で行きどまり。五湖巡り(「地上遊歩道」経由)は明日のプランにして、「カムイワッカ湯の滝」へ向かいましょう。

知床五湖木道オコツク展望台から
知床五湖木道(オコツク展望台から)


カムイワッカ湯の滝
 知床八景「カムイワッカ湯の滝」(駐車場MAP CODE:757 855 209*11)へは知床五湖から曲がりくねった道をたどり、11kmほどで到着です。道の脇に余り広くない水気の多い駐車場があります。ぬるい水(30℃前後)の流れるカムイワッカ川(硫黄川)があります。川は坂になった岩盤、つるつる滑ります。「湯の滝」はそこから140m上流(許可範囲)まで登れます。
 濡れてもかまわない、滑りにくい靴あるいはソックスに履き替えて上流を目指します。ただし湯は強酸性、肌の弱い人は避けるのが賢明、そうでない人も真水でよく洗った方がいいでしょう。
 また知床はヒグマの生息地、クマちゃん対策は怠りなく。遭遇しても、走るのと背中を見せるのは厳禁です。クマは100mを9秒台で走るウサイン・ボルト選手の倍くらいの速さで走ります。ボルト選手は平らなところしか走りませんが、クマは山道、灌木の間でも平気です。
マイカー規制(再掲)〕
 8月を中心に、観光客が増加する時期「知床自然センター」から「カムイワッカ湯の滝」まで「マイカー規制・シャトルバス運行」が行われます。「知床自然センター」からはシャトルバスが運行します。「知床五湖フィールドハウス」からシャトルバスには乗れません(↑ 道道93号マイカー規制)。

カムイワッカ湯の滝注意事項
カムイワッカ湯の滝注意事項
湯の滝
湯の滝(クマ出没地帯)


 「一般人」が行けるのはこの「カムイワッカ湯の滝」までです。道道93号がずっと半島の北まであるようですが、湯の滝のところで大きな鉄格子が道路をふさぎその先には進めません。二日目はこの辺りで道の駅あるいは宿泊所まで戻りましょう。


●3日目 [TOPへ]
知床五湖

知床五湖
地上遊歩道と高架木道のある知床五湖


 三日目は知床八景「知床五湖」を地上遊歩道を通って全部回ります。遊歩道へは「知床五湖フィールドハウス」(知床五湖へのカーナビの設定法は2日目に書いています)から入ります。ルートは小ループ(全周1.6km)と大ループ(3km)2つがあり、五湖を回るのは大ループ(所要時間約3時間)の方です。クマ出没のため地上遊歩道が通行禁止になることがあります。

知床五湖フィールドハウス
 「知床五湖フィールドハウス」(0152-24-3323)は知床五湖のガイドやレクチャーを提供します。散策には大小のループがあります。いずれも地上遊歩道と高架木道を使います。
 小ループは「一湖」の周りを回ります。一周、1.6km。
 大ループは「一湖・二湖・三湖」の周りを回り、「四湖、五湖」は横をかすめながら通ります。1周3.0km。

 時期が3つに分けられて、レクチャー受講が必須です。レクチャーには申請書が必要です(リンク先からダウンロード可)。また「知床五湖登録引率者」を選ぶこともできます。
●植生保護期春 開園(4月下旬)~05/09
●ヒグマ活動期 05/10~07/31
●植生保護期夏 08/01~閉園(11月上旬)

 以前、「自由利用期」が設けられていましたが、なくなりました。
 ヒグマ活動期にはレクチャー後、登録引率者のツアー(定員10名)に参加して遊歩道を回ります。大ループで3時間ほどのツアー。
 植生保護期にはレクチャー後「立ち入り認定申請書」に記入の上で最大50名(現在は半分の25名)ほどで散策します。「申請書」はネットからもダウンロードできます。

 引率者がいる場合には、引率者の指示に従い、解説を聞いて五湖を回ります。湖はもちろん、森の中の道はぞくぞくする神秘感にあふれています。自由利用期間でも1人~2人で回るより他のグループと一緒に行った方が良いでしょう。旅は道連れです。なおフィールドハウスでは格安で長靴のレンタルを行っています。雨の時でも植生保護のため草木を踏むことができません、ぬかるみをそのまま進むこともあります。
 熊のいる地域での散策で神経をすり減らしましたので、帰りの交通に気をつけて、今日はゆっくり風呂に入り早く寝ることにしましょう。

パークサービスセンター
 「パークサービスセンター」(0152-24-2299)。おみやげやソフトクリームを扱っています。ハンバーガーなどが並ぶこともあるようですが、ちゃんとした食事はとれなそうです。


●4日目 [TOPへ]
クルーズ・知床半島北部~半島先端まで(南から順に)

知床半島北部
船で行く知床半島北部


クルーズ船事業者(選び方・便の確保)
 四日目は知床クルーズ(斜里町観光協会事業者一覧)です。船の定員、コース所要時間等を計画に合わせて選ぶとよろしいかと思います。船の定員は船の大きさに比例します。
 2024年、ゴジラ岩観光知床観光船オーロラ知床世界遺産クルーズFOX号の三社があり、ゴジラ岩観光(小型船)と知床観光船オーロラ(大型船)が運行しています(FOX号は認証待ち) 。夏は観光船、冬は流氷観光を担います。

 羅臼の道の駅案内でも書きましたが、大きい船は安定していて少々の波風でも乗り越えて半島の突端まで行きますが、岸に近づけず、陸上の動物が小さくしか見えません。一方、小さい船は岸近くまで寄ることができヒグマなどもある程度大きく見えるかもしれませんが、船体が小さいために波風の影響を受けやすく途中で引き返す、あるいは船酔いしやすい人は酔ってしまうということになりがちです。体調等も考慮して乗船する船を選ぶとよろしいかと思います。

 船はネット上から予約ができます。予約が一杯の時は実際に事業者の店舗に行くことをお勧めします。意外とたくさん空席があったりします。事業者はウトロのセブンイレブンからオロンコ岩へ行く道沿いに店舗が並びます。小さい船の「ゴジラ岩観光」、大きい船の「観光船おーろら」があります。


ウトロ港から知床半島の滝や奇岩を眺めながらの航行
 船は知床半島の崖やそこから流れる滝を見ながら岬の突端を目指します。途中岸辺まで草が生えているようなところに来ると、ヒグマの親子が見えたりするかもしれません。また海鳥やオオワシなどが空を飛んでいるかもしれません。イルカが船の前を先導するかのように泳いでくれるかもしれません。

知床半島クルーズ、先端が岬
知床半島クルーズ、先端が岬


 半島の地図上、知床五湖の西の海岸に見える奇岩「こけし岩」から、半島にそって順にすこしだけ見てみることにしましょう。
 「オーバーハング」は中央のへこんだ部分です。

こけし岩
知床五湖海岸・こけし岩
オーバーハング
知床五湖海岸・オーバーハング


 「カムイワッカの滝」の周辺は海面が白くにごっています。上流は硫黄山から流れ出す「硫黄川」の硫黄分でにごっています。このすぐ上流に「湯の滝」があります。

知床・硫黄山
知床・硫黄山
カムイワッカの滝
カムイワッカの滝


ヨウシペツの滝
ヨウシペツの滝
19号番屋
19号番屋


チャラセナイの滝
チャラセナイの滝
観音岩
観音岩


 陸上の動物、海洋生物に出会うのは時の運といった一面がありますので、必ずしも会えるわけではありませんが、晴れの日を選んでクルーズに参加されることをお勧めします。動物に会えれば、それだけ喜びも大きく、明るい風景を目に焼き付けるだけでもそれは価値のあるものです(ウトロ側の人には申し訳ないのですが、羅臼側の方が海洋動物に出会う確率はずいぶん高いです。でもこれも確率なので、保証はできません)。

知床クルーズ帰り、中央の山は斜里岳
知床クルーズ帰り、中央(右端)の山は斜里岳


 ということでクルーズは知床に到着した日、晴れているのであればその日に出かけるのが得策。とにかく晴れていることが一番です。知床五湖の散策も晴れている方が良いですね。雨だとぬかるみがたいへんです。

 では、ウトロのつぎは羅臼にするか(羅臼にもクルーズが待っています)、あるいは網走で(くさい)監獄飯を食べ、「てんとらんど」でキャンプにするか、宿泊先に戻って考えることにいたしましょう。




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